当たり前ではない日常

昨日は3月11日

東日本大震災から6年目を迎えました。

昨日卒園進級お祝い会に新入園説明会と1日通して行事があり、その際お話をしようと

思っていたのに沢山お話することがあってすっかり抜け落ちていたので、ここで取り

上げようと思います。

その日東北では大変なことが起こっていた。

私たちの住んでいる地域も初めて体験する揺れに見舞われ「子供たちの身を守る」という

責任の重さを感じながらの保育。

何が起こっているかの情報を得たくて、インターネットから伝えられるニュースを必死で見た。

帰宅が困難なことを考えすぐに泊まり込みを想定しての準備。

わずか数時間でスーパーやコンビニの棚に食料がなくなってしまった。

夕食と翌日の朝食の食材を確保し、子供たちが不安にならないようにいつもと同じを装いな

がら夜を迎えた。

真っ暗になってから必死に遠くから歩いて帰ってきた方たちがお迎えに来た。

皆、我が子に会うまでどんなに不安だったことだろう。

そんな表情の大人を見ながら、自分の親の迎えを待つ子供たち。

お迎えが来た子供はしっかりと親子抱き合うように帰った。

迎えが来ない子も誰一人、ぐずったり泣いたりする子がいなかった。

不安を与えないようにという配慮はしているものの、やはりいつもと違うことは感じていたはず。

小さな子どもたちでさえ尋常じゃない様子を察したに違いない。。

温かいみそ汁とおにぎりという簡単な食事だったが、おいしそうにほおばり少し絵本を読んだり

しながらお布団に寝かせると、みんなとどこかにお泊りに行っているような感じで、あっという

間に眠ってしまった子供たち。

8時には起きている子はいなかった。

子どもたちの寝顔を見ながら、泣く子はいなかったね、パニックになって泣かれてしまったら

どうしただろうと、いつもと変わりなく過ごしてくれた子にただただ感謝だった。。

お布団に入った子は6名ほど。

茅ヶ崎へ引っ越した人も通勤途中の園に継続して通っていた方がいて、もう家には帰れそうも

ないと言い、一緒に泊まった。

夜の9時ころ、小倉から歩いてきたという乳飲み子を抱えたお母さんが避難してきた。

ご主人と連絡も取れず、停電にもなり、ミルクも作れないとどこか助けてもらえるところにと

思って歩いてきたという。

保育園で泊まった子以外で一番お迎えが遅くなった子は夜中の1時過ぎだった。

出張で千葉まで行っていたお父さん、お母さんは東京から歩いて11時半には迎えに来たが

お父さんの迎えを園で待っていた。

ヒールをはいてここまで帰れず途中ではだしになって歩いてきたというお母さん。

翌日無事親元に返すことが出来たのは9時過ぎだった。

原発、放射能の不安、心配。

散歩へ行かない日々。

こんなうるさい情報は嫌がられるかもしれないがと言いながら、今日の風向きはこうだから、

外に出るのは危険だという情報をくれる保護者もいた。

でも、私も同じ情報を見ており心配していたので、当然外には出さなかった。

連日、テレビから流れるニュースは胸が張り裂けるようなものばかり、これからどうなるんだと

不安な日々が続いた。

電車も間引き運転で3,40分で通勤できるところ、2時間はかかると言って皆6時台には家を出て

開園に間に合うように出勤してくれた職員たち。

食料が手に入らず、お弁当をお願いした日もある。

牛乳が手に入らず、あそこにあったから保育園の分を買ってきたよと持ってきてくれた保護者。

何も考えずに生活をしていた日常。

日常は永遠のものではない、いつ何時なにが起きるのかわからない。

日常がどんなにありがたいものなのか、かみしめる日々。

あれから6年がたち、何の不安もない日常が戻った・・・ように思えるが、

みんなが忘れかけている避難している方たちの現状

みんなが忘れてしまったかもしれない放射能の影響

被災地での小児がんが急増し、すでに手術が終わっている子、リスクを抱えている子が

どれだけいるか。

その中で、昨日は避難住宅の打ち切りの話

そこに住んでいるのはほとんどお年寄り

復興の言葉がむなしく聞こえる現状。

日常

全てなかったことにしてしまえば忘れてしまえるのか

でも日常

いつまた壊れるか誰も知らない。

日常

平穏な日々のありがたさ

今ある日常は当たり前ではない

だからこそ、その日常を、今を大事にしていかないと

子どもと一緒に過ごせる日々

温かいご飯を一緒に食べられる日々

何も心配なく保育園に子供を預けて仕事ができる日々

今がある幸せを大切にしようね。

いつもと変わりなく過ごせる「日常」

自然災害だけではなくいろんなことから子供たちの日常を守れるのは私たち大人の役目だ。

当たり前ではない日常を大事にしようね。

6年目を迎え心にそう思う。

横浜市認定保育室 矢向つぼみ保育園
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事